水彩色鉛筆は、手軽に本格的な水彩画を楽しめる素晴らしい画材です。 普通の色鉛筆として描いたあとに水で濡らすだけで、まるで水彩絵の具で描いたような美しいぼかしやグラデーションが表現できます。 また、水彩色鉛筆ならではの独特な表現ができるのも大きな魅力です。
しかし、「使い方がよく分からない」「水で濡らしたら紙がシワシワになってしまった」と悩む初心者の方も少なくありません。 この記事では、水彩色鉛筆の基本的な使い方から、失敗を防ぐコツ、表現を広げる4つの基本技法までを分かりやすく解説します。
テクニックをマスターすれば、いつでもどこでも気軽に水彩画の世界を楽しめるようになります。 ぜひ最後まで読んで、あなただけの素敵な作品を描いてみてください。
・水彩色鉛筆と普通の色鉛筆の決定的な違い
・初心者が最初に揃えるべき4つの必須道具
・表現が広がる「4つの基本技法」の具体的なやり方
・プロが教える!失敗を防ぐ水のコントロールとリカバリ術
1. 水彩色鉛筆とは?普通の色鉛筆との違いと魅力を解説
最大の特徴は「水に溶けて水彩画になる」こと
水彩色鉛筆の最大の特徴は、描いた線を水で濡らすと、芯の顔料が溶け出して水彩画のような表現ができる点にあります。 普通の色鉛筆と同じように細かい描き込みができる一方で、水を加えることで絵の具のような美しいにじみやぼかしを作ることができます。
色鉛筆の手軽さと、水彩画の豊かな表現力をあわせ持つ、非常に優れた画材です。 一本で二度楽しめるため、荷物を少なくしたい屋外でのスケッチなどにも好適です。
油性色鉛筆と水溶性色鉛筆の違い
一般的に広く使われている普通の色鉛筆は「油性色鉛筆」と呼ばれ、芯がワックスや油分で固められているため水には溶けません。 さらに、油性色鉛筆で描いた紙の上から絵の具を塗ると、油分が絵の具を弾いてしまうという特徴もあります。
一方で、水彩色鉛筆は「水溶性色鉛筆」と呼ばれ、水に溶けやすい特殊な糊(糊料)と顔料で作られています。 そのため、油性色鉛筆は線を重ねて密度の高い絵を描くのに向いており、水彩色鉛筆は水を活かして、淡くみずみずしい透明感のある絵を描くのに向いています。 また、水彩色鉛筆を水に溶かさずにそのまま使えば、油性色鉛筆に近いざらっとした素朴な質感を残すことも可能です。
【体験談】水彩絵の具とは別物!改めて感じた水彩色鉛筆の表現力
僕は普段の作品作りには専ら水彩絵の具を使っていて、水彩色鉛筆はしばらく使っていなかったのですが、今回、この記事を作るにあたってあらためて使ってみました。
試した描き方は、ドライの状態の紙に描いて水筆で濡らす方法、濡れた紙に直接描く方法、芯の先から濡れた筆で色を取って塗る方法、そして濡れた紙の上に芯を削って粉状にして蒔く方法などです。 どれをとっても、通常の水彩画とは全く違うテイストが出たことにびっくりしました!
同じ「水彩」と名が付いていますが、まったく別物といってもよい表現ができることに改めて感動しています。 描くうちに新たな視点が見え、今後の作品作りにも良い影響が出そうな予感がしています。


2. 水彩画を始める前に!初心者が揃えるべき4つの必須道具
【水彩色鉛筆】最初は12色〜24色セットがおすすめ
初めて水彩色鉛筆を購入する際は、12色から24色程度のセットを選ぶのがおすすめです。 水彩色鉛筆は水で溶かして混色(色を混ぜ合わせること)ができるため、少ない色数からでも幅広い色彩を生み出すことができます。
最初から100色などの大きなセットを買ってしまうと、使いこなせずに迷ってしまう原因にもなります。 まずは扱いやすい定番のカラーが揃ったセットを選び、必要に応じて単色で買い足していくのが賢い方法です。
【水彩紙・専用紙】紙の選び方が仕上がりを左右する
水彩色鉛筆を使う上で、実は最も重要と言っても過言ではないのが「紙」の選び方です。 水を使用するため、普通のノートやコピー用紙、薄い画用紙では、水を含んだ瞬間に紙がよれてシワシワに波打ってしまいます。
そのため、必ず「水彩紙(すいさいし)」や「水彩色鉛筆専用紙」と表記された、ある程度厚みのある紙を用意してください。 なるべく厚いものを選ぶと、水をたっぷり使っても紙が波打ちにくく、思い通りの表現が楽しめます。
別の記事で水彩紙についてのものもありますので、こちらも参考にしてください。
☞『【水彩紙 選び方】初心者が失敗しないおすすめ水彩紙を徹底比較』
【水筆・画筆】水の量を調節しやすいものが便利
水彩色鉛筆で描いた部分をぼかすためには、筆と水が必要です。 通常の絵の具用の筆と水入れを用意しても良いですが、水筆(みずふで)が便利でおすすめです。
水筆は、軸(持ち手)の部分に水を入れておける構造になっており、軸を軽く押すだけで筆先に水が染み出してきます。 水入れを用意する必要がなく、ティッシュで筆先を拭うだけで簡単に色を変えられるため、例えば旅先でスケッチする場合でも荷物が少なくて便利です。
【その他】あると便利なティッシュと鉛筆削り
前記の道具に加えて、手元に「ティッシュペーパー」か「吸水性の良い布」を必ず用意しておきましょう。 筆についた余分な水分を調節したり、筆先を洗わずに色を切り替えたりする際に頻繁に使用します。
また、水彩色鉛筆の芯は比較的柔らかく減りやすいため、鉛筆削りや、芯を好みの太さに調節できるカッターナイフもあると重宝します。 特に細かい部分を描き込みたいときは、芯の先を常に尖らせておくことが綺麗な仕上がりのコツです。
プロが愛用するメーカーと最初の「戸惑い」について
僕はドイツ製の水彩色鉛筆、ステッドラーの「カラト アクアレル(24色入り)」を使っています! 市場にはほかにも、以下のような多数の優れたメーカー・ブランドの商品が販売されています。
・ファーバーカステル(アルブレヒト デューラー)
・ヴァンゴッホ(ウォーターカラーペンシル)
・レンブラント(アクアレル)
・三菱鉛筆(ウォーターカラー)
水彩色鉛筆を使ってとにかくびっくりするのは、普通の色鉛筆とはテイストが全く異なることです。 水筆で塗ったときのにじみや、濡れた紙の上に芯が触れた瞬間の色の広がりなど、通常の色鉛筆的な使い方もできつつ、「にじみ」や「ぼかし」といった水彩画特有の表現力が付加されています。 同じ「色鉛筆」と表記されますが、ハッキリ言って別物です。
その分、僕は最初、使い方に少し戸惑いました。 どう使ったら「キレイだ」と思える絵にできるか、そのコツを掴むのが最初のステップになります。

3. これでマスター!水彩色鉛筆の基本的な使い方・4つの基本技法
技法①:ドライ&ウェット技法(描いたあとに水で濡らして、にじみ・ぼかし)
もっとも基本的で、水彩色鉛筆らしさを一番実感できるのが「ドライ&ウェット技法」です。 まずは乾いた紙の上に、普通の色鉛筆と同じように絵や文字を描いていきます。
このままで「完成」としても、通常の色鉛筆とほぼ同じ十分な描画になっています(ドライ技法)。 水彩色鉛筆の真骨頂はここからです。 このあと、水を含ませた筆で描いた線の上を優しくなぞると、見る見るうちに線が溶けて水彩画のように広がります。

・輪郭を少し残したい場合:筆の水を少なめにして軽く撫でるように線を触る。
・完全に絵の具のように伸ばしたい場合:十分に水を含んだ筆でしっかりと触る。
技法②:ウェット技法1(濡らした紙の上に描く)
「ウェット技法1」は、あらかじめ水で濡らした紙に、水彩色鉛筆で直接描き込んでいく技法です。 芯が水分に触れた瞬間にじわっと色が溶け出すため、非常に柔らかく深みのある濃い発色を楽しむことができます。
紙の上に水彩色鉛筆の先が触れた瞬間、その違いに驚くと思います。 ドライ技法とはまったく異なり、まるでサインペンで描いたような滑らかな感覚になります。 乾いた紙に描くときよりも線が太く、独特のにじみ効果が生まれるため、グラデーションや幻想的な雰囲気を表現したいときに適しています。

技法③:ウェット技法2(芯から直接筆で色を取る)
もう一つのウェット技法は、水彩色鉛筆を鉛筆として使わず、絵の具のように扱う少し特殊な技法です。 水を含んだ筆で水彩色鉛筆の先端に触れ、筆先に色を取ってから紙に着色します。
筆で描くため、タッチは通常の水彩画のようになります。 この技法を使うと、紙の上に色鉛筆特有の線(タッチ)が一切残らないため、非常に滑らかで均一な薄塗りをしたいときに重宝します。 また、水彩色鉛筆から取った色を別の紙やパレットに置いておき、混色した後にそれをすくい取って描くのもおすすめです。

技法④:パウダー技法(芯を削って濡れた紙の上に蒔く)
先に水彩紙を水で濡らしておき、その上に水彩色鉛筆の芯をカッターナイフなどで粉状に削って蒔(ま)く技法です。 粉が水彩紙の水分に触れてじわじわとにじみ出し、独特の表情が生まれます。
これは通常の水彩絵の具では表現できない、水彩色鉛筆ならではの面白い効果が得られる技法です。

4つの技法を試して見えた、水彩色鉛筆に向いているモチーフ
前述の4つの技法は、どれも通常の透明水彩にはない、水彩色鉛筆独特の技法です。 僕は絵の習い始めから通常の透明水彩を練習してきたので、初めて水彩色鉛筆に触れたときは、かなり戸惑いました。 透明感は似ていますが、塗り方もタッチもまったく異なります。 まさに「色鉛筆画の緻密さ」と「水彩画のぼかし」のコラボレーションといった風合いになります。
大まかに言うと、通常の水彩画に比べて、比較的小さな画面のイラストレーション寄りの表現をするのに適した画材だと感じます。 たとえば、鳥や花などの静物を「絵手紙」などにするときにとても重宝するはずです。 (※広い画面を塗るには大量の絵の具が必要ですので、やはり通常の水彩絵の具が便利です)
また、技法④のパウダー技法は、通常の水彩画に取り入れても面白いと感じます。 例えば、岩の絵を描くときに緑色の水彩色鉛筆の粉をかけて、苔(こけ)むした質感を演出する、といった表現に素晴らしい効果を発揮してくれます。
4. 【実例】初心者が水彩色鉛筆で上手に描くためのステップとコツ
失敗を防ぐ!描くときの適切な「水の量」と「力加減」
水彩色鉛筆の初心者が最もつまずきやすいのが、筆に含ませる「水の量」のコントロールです。 水が多すぎると、せっかく描いた色鉛筆の顔料が流れてしまい、色が極端に薄くなったり、紙が大きく波打ったりします。
筆を水で濡らした後は、必ず水入れの縁で軽くしごくか、一度ティッシュに筆先をあてて余分な水分を吸い取る癖をつけましょう。 また、描くときの力加減(筆圧)は強すぎず、優しく層を重ねるように塗ると、水でなぞったときに綺麗に溶けムラが出来にくくなります。
色が濁らないようにするための塗り重ねの順番
水彩色鉛筆で複数の色を混ぜ合わせる(混色する)ときは、塗る順番に注意が必要です。 基本的には「明るい色(薄い色)」を先に塗り、その上から「暗い色(濃い色)」を重ねていくのが鉄則です。
最初に濃い色を強く塗ってしまうと、あとから薄い色を重ねて水で溶かしたときに、濃い色にすべてかき消されて画面全体が泥のように濁ってしまいます。 また、一度水で濡らした場所は、完全に乾くまで次の色を重ねないように待つことも、クリアな発色を保つための重要なコツです。
【体験談】僕がやってしまった失敗と、効果的だったリカバリ方法
僕がやってしまった失敗の一つは、ドライの状態で塗ったあと、水筆を強い筆圧で押し当ててしまったことです。 水彩色鉛筆は、乾いた状態ではちょうどよく見えても、水を含ませると発色が一気に強くなります。 そのため、周囲との濃さのズレが出てしまい、ムラになってしまうことが多々ありました。
このとき僕が行ったリカバリ方法は以下の通りです。
・濃さが薄くなってしまったところ:一旦しっかり乾かした後に、上から色を重ねる
・濃なりすぎてしまったところ:乾いた後、練り消しゴムで色を優しく取る
水彩色鉛筆に慣れるまでは、ほんのちょっと水気を持たせた水筆で、紙の表面に触れるか触れないか程度の優しいタッチで濡らして様子を確かめると、失敗を防ぎやすくなります。

また、赤と緑、青と茶色など「補色系(反対の色)」同士が隣接した箇所に、不用意に水を加えてしまい、色を濁らせてしまったこともあります。 透明感が魅力の水彩色鉛筆では、特に目立ちやすい失敗です。 このときは、一旦乾燥させてから練り消しゴムで色を薄くし、その上から透明感のある単色をドライ(乾いた状態)で薄く重ねて描き足すことで修正しました。
5. 水彩色鉛筆の使い方に関するよくある質問(FAQ)
Q. 普通の画用紙やノートに描いても大丈夫ですか?
A. 水を一切使わずに「普通の色鉛筆」として使うだけであれば、普通のノートや画用紙でも全く問題ありません。しかし、少しでも水筆などを使って「水彩画風」に仕上げたい場合はお勧めできません。薄い紙は水を含むとすぐに裏抜けしたり、表面がボロボロと剥がれてきたりします。作品を綺麗に残すためにも、水を使う場合は必ず水彩紙を使用してください。
Q. 水で濡らした後は、色鉛筆で上から描き足せますか?
A. はい、可能です。濡れた状態のまま描き足すこともできますし(ウェット技法1)、完全に画面が乾いた後であれば、上から線を細かく描き足すこともできます。背景の上に乾いてからディテールを描き込むことで絵にメリハリが生まれます。ただし、まだ紙が湿っている状態で上から描く場合、力加減が強いと紙を傷つけて破いてしまう可能性があるので、しっかり乾燥させ、優しい筆圧を意識しましょう。
Q. 通常の水彩画の下描きに水彩色鉛筆を使うメリットはありますか?
A. はい、実は通常の水彩画の下描きに水彩色鉛筆を使うのは非常におすすめの方法です!一般的な水彩画では鉛筆で下描きすることが多いですが、鉛筆の線は水に濡れても消えにくい特性があります。そのため、明るい箇所や塗り残しをする場所で黒い線がどうしても目立ってしまいます。ここで水彩色鉛筆を使って薄く下描きをしておくと、上から絵の具や水筆を乗せたときに下描き線が自然に溶けて馴染むため、消し残りがなく絵の仕上がりが美しくなります。コツとしては、塗る予定の絵の具の色に近い同系色の水彩色鉛筆で下描きすることです。

6. まとめ:水彩色鉛筆の使い方を覚えて気軽に水彩画を楽しもう
水彩色鉛筆は、描く楽しさと塗る楽しさ、そして水で溶かして魔法のような変化を一度に味わえる魅力的な画材です。 「道具を揃えるのが大変そう」と水彩画を諦めていた方も、水彩色鉛筆と水筆が一本あれば、今日からすぐにアーティストになれます。
最初は水の量や色の広がりの勘をつかむのに戸惑うかもしれませんが、何度も描いていくうちに、自分だけの心地よいバランスが必ず掴めるようになります。 まずは小さなお気に入りのイラストや、塗り絵から一歩を踏出してみてはいかがでしょうか。
最後に:失敗さえも味わいになる、やさしい世界を楽しんで
水彩色鉛筆は、最初は使い方に少し戸惑う画材かもしれません。 色が濁ったり、水が多すぎたり、思ったようににじまなかったり――誰でも一度は同じ失敗を経験します。 でも、その小さな失敗のひとつひとつが、「水の量」「色の重なり」「紙の違い」を教えてくれる大切な経験になります。
実に不思議なことに、水彩色鉛筆は失敗した跡さえも作品の味わいになることがあります。 にじみや偶然できた色の重なりが、思いがけず美しい表現になることも少なくありません。
大切なのは、上手に描くことよりも、まず色を置いてみることです。 一筆ずつ、少しずつ、自分だけの色を見つけながら描いていけば大丈夫です。 水彩色鉛筆のやさしい色彩の世界を、ぜひ楽しみながら歩いていきましょう。
では、、、また。





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こんにちはBakkyです 水彩画たのしんでますか?