コスモスの描き方|初心者でも水彩画で表現できる手順と色の作り方

Bakky

こんにちは 心象水彩画家のBakkyです  水彩画たのしんでますか?

今回はコスモスの花を描いてみましょう。

秋の代表的な花のひとつコスモスはかわいらしい花ですが、意外と描くのが難しい花です。

形が比較的に単純で、単純なだけに誤魔化しが利きにくいです。

この記事では、画材の最小セット、花びらの色の作り方、下描きから仕上げまでの手順、よくある失敗の直し方、完成後の飾り方まで、一通りお伝えします。

読み終えるころには、1輪のコスモスなら初心者のかたでも今日から描き始められるはずです。

僕も永く描いてきた中で、迷い、失敗もしました。そして、都度リカバリーしてきた経験をもとに、つまずきやすいところも具体的に解説します。

目次

コスモスの水彩画は「にじませる」「ぼかす」と決めればふんわり描ける

結論から言うと、コスモスの水彩画は「にじませる」「ぼかす」「白を残す」「陰を塗る」の4つを守れば、ふんわりした仕上がりになります。

つまり、と考えるとよいと思います。

この4つを押さえるだけで、花びらの軽やかさがそのまま紙の上に出ます。

コスモスが水彩に向いている理由

コスモスの花びらは薄く、光を通し、また明るい色をしています。

透明水彩は、紙の白さを透かして発色する絵の具です。

薄い花びらの透け感と相性がとても良いのです。

花びらの箇所に水を塗って薄めに溶いた絵の具を広げ、花びらの中でグラデーションをつくると花びらの薄い感じが出ます(ウェットオンウェット)。

このグラデーションが、そのままコスモスらしい軽さになります。

この記事で描けるようになること

この記事では、次の3パターンを順に描けるようになることを目指します。

描けるようになる3パターン
パターン 難易度 向いている人
花1輪を大きく描く ★★☆ 初めて描く人にとっては意外と難しい
数輪を束ねて描く ★★☆ 1輪に慣れた人
コスモス畑の風景 ★☆☆ 1輪1輪が小さいので意外と簡単。マスキングを使いこなしたい人

初心者は、まず1輪から練習を始めてください。

1輪が描ければ、数輪も風景も、考え方はすべて同じだからです。

描き始める前に押さえたいコスモスの形と特徴

絵の具を出す前に、コスモスの形を観察してください。

形をつかんでおくと、下描きで迷わなくなります。

コスモスは形が比較的単純です。

描く観点で整理すると、押さえる点は多くありません。

花びらの形・枚数・先端のギザギザの見方

コスモスの花びらは通常8枚で、中心から放射状に広がっています。

また花びらの先端は浅く切れ込んだギザギザの形をしています。

花びら全体はパラボラアンテナの様な形をしていて、見る角度によって手前の花びらと、奥の花びらとの大きさや反り具合が違って見えます。

なので、正面を向いている花以外を描くときは、8枚を均等に同じ形で並べることのないようにしましょう。

下のパラボラアンテナの形を意識して、花の向いている角度に応じた形を下描きします。

また、実際の花びらは、風に吹かれるなどしてキレイなパラボラ型をしていない花もあります。

花芯・つぼみ・葉・茎のバランスと描き分けのコツ

コスモスの花の中心は通常、黄色い花芯です。

黄色を塗ったあと、ここに小さな点々を濃い色で入れると、花に表情が出ます。

茎は細く、葉は羽のように細かく分かれています。

複数の花を描く場合は、葉は所々はクッキリと描き、その他は簡略化するか濃淡で奥行きを出すほうが、絵として自然にまとまります。

丸い小さな蕾の形も花の近くに1〜2個添えるだけで、絵に動きが出ます。

コスモスの水彩画に必要な画材|初心者が最初に揃える最小セット

画材は、多く揃える必要はありません。

最初は最小限で十分です。

道具が増えるほど、選ぶことに迷って、描くことが後回しになります。

透明水彩絵具は何色あれば足りるか

コスモスの花は、白、ピンク、赤、アプリコット、黄色、これらの色の組み合わせがあります。

それに、葉や茎の色の緑です。

結論として、次の5系統の色があればコスモスは描けます。

  • 赤色系(例:キナグリドンオペラ、パーマネントアザリンクリムソン)
  • 黄色系(例:ガンボージノーバ)
  • 緑系(例:サップグリーン)
  • 青系(例:ウルトラマリンディープ)
  • 茶色系(例:バンダイキブラウン)

この5色から混色して、花びら・花芯・葉まで描き分けます。

水彩紙の選び方

水彩紙は、厚み300g/㎡程度の中目(ちゅうめ)を選んでください。

薄い紙は、水を含ませると波打って、にじみの調整が難しくなります。

厚みのある紙は、水を受け止めてくれるので、初心者でも扱いやすいのです。

「目」は紙の表面の凹凸のことです。

中目は、細かい表現もにじみも、どちらもほどよくこなせます。

迷ったら、中目から入ってください。

筆・パレット・筆洗など、最低限必要な道具

最低限必要な道具は、次のとおりです。

道具目安ポイント
丸筆(太め)8〜10号花びらの面を塗る、ぼかしに使う
丸筆(細めや極細)0〜4号花びらや花芯や茎を描く
パレット、絵皿パレットは仕切りの多いもの色を混ぜる場所を確保する
筆洗水を2つ以上に分けられるもの汚れた水と、きれいな水を分ける
ティッシュ数枚余分な水分を吸わせる

筆は、水含みがよく、穂先がまとまるタイプがおすすめです。

太めと細めの2本があれば、1輪のコスモスは描けます。

あると便利な道具

さらに表現を広げたいときは、次のものがあると便利です。

  • マスキング液(白く残したい部分を保護する)
  • スプレーボトル(紙を湿らせてにじみを作る)

今回は、花心の部分を白抜きしたあとに着色するために、マスキング液をつかいました。

初心者向けの最小セット早見表です。

区分必須あると便利
絵具赤・黄・緑・青・茶白の絵具(修正やハイライト用)
紙300g/㎡中目の水彩紙練習用の安価な紙
筆丸筆の太め・細め各1本極細筆(ライナー)
その他パレット・筆洗・ティッシュマスキング液・スプレー

コスモスの花の色の作り方|濁らせずに塗るための混色

水彩で色が濁る原因の多くは、「色の混ぜすぎ」です。

できるだけ少ない色数で目標の色を作ることが、きれいな色を保つ秘訣です。

ピンクと赤紫の花びらの色づくり

ピンクのコスモスは、ローズ系の赤を水でたっぷり薄めて作ります。

今回、僕は赤(赤紫)とピンクと白のコスモスを描いてみました。

パレットの上の絵の具は、少しねっちょりする程度の濃さが良いです(ウェットオンウェットをするので、サラサラ過ぎの絵の具だと、置いた時に広がり過ぎるから)。

赤紫のコスモスの花びらには、パーマネントアリザリンクリムソンとキナグリドンオペラを使いました。

ピンクのコスモスの花びらには、キナグリドンオペラを薄めに溶いた絵の具を使いました。

花びらの根元が濃い色のコスモスなら、花びらの根元に濃い絵の具を置き、先端に向かって水にのせて伸ばして薄くしていきます。

逆に花びらの先端が濃い色のコスモスなら、花びらの先端に濃い絵の具を置き、根元に向かって水にのせて伸ばして薄くしていきます。

作りたい色混ぜる色水の量の目安
淡いピンクキナグリドンオペラ多め(少しさらさら気味)
濃いピンクキナグリドンオペラ少なめ(少しねっちょり気味)
赤紫パーマネントアリザリンクリムソン少なめ(少しねっちょり気味)

白いコスモスを「塗らずに白く見せる」考え方

白いコスモスは、基本的に白い絵の具で描きません。

紙の白をそのまま残し、周りの色や影で形を浮かび上がらせるのです。

これがいちばん明るい箇所の作り方です。

花びらの陰の部分や花脈の部分に、ごく薄い青み掛かったグレーやくすんだピンクを置くだけで、白が引き立ちます。

今回、青み掛かったグレーは青に茶を少し混ぜて作りました。

透明水彩では、塗った色の上から白を重ねて明るく戻すのは難しく、紙の白を残すのが基本の考え方です。

だから、最初から「ここは塗らない」と決めておくことが重要です。

塗る前に、鉛筆で薄く塗らない範囲に印をつけておきマスキングすると失敗が減ります。

ただし、「白だから、どこもかしこも紙の白を塗り残す」というのは避けましょう。

例えば、一輪の白のコスモスの花びらが全て紙の白にしてしまうと、花の立体感が感じられません。

まっ白い花びらでも必ず明るさの濃淡や陰になっている箇所があります。

ここに、ごく薄い青み掛かったグレーやくすんだピンクの色を薄く塗ってやることで、立体感と明暗が感じられるようになります。

黄色の花芯と、緑の葉・茎の作り方

花芯は、黄色から少しオレンジ寄りの色を使うと、温かみのある色になります。

花の中心に色を置いたら、くっきりとシャープに描き、周囲の花びらから浮き立たせるようにしましょう。

花の花心は花の中でピントを合わせる部分です。

緑の葉と茎は、緑を明るく、陰の部分は緑に茶を少し混ぜました。

1色の緑ではなく、2〜3種類の緑を作っておくと、葉に奥行きが出ます。

少しテクニックが必要ですが、紙に先に水を塗っておいて、乾きかけた時を狙って、細筆で緑の線を描くと、僅かににじんだ線になり、シャープに描いた部分との間に距離感を持たせ、少し遠方に感じさせることができ、画面に奥行きが生まれます。

色が濁るときの原因と防ぎ方

色が濁る主な原因は、次の3つです。

原因状態防ぎ方
筆が汚れている前の色が残っている色を変えるたびに筆を洗う
混ぜる色数が多い3色以上を混ぜている混色は2色までを基本に
混ぜすぎ複数の色を混ぜきっている敢えてパレット上で混ぜきらない

特に、筆洗の水が濁ったまま使い続けると、透明感のある色は出せません。

水入れの水は、こまめに替えてください。

また、表の3行目にある「混ぜすぎ」の項ですが、パレットの混色スペースで複数の色を混ぜるのを敢えて途中で止めると、混色スペースに色のグラデーションができます。このグラデーションを利用することで、対象物にも色のグラデーションを付けることができます。

花は沢山の種類があり、色もさまざまです。

その中で、コスモスの花は比較的単純な色目をしていますので、使用する絵の具の種類も少なめにします。その方が色が濁りません。

コスモスの水彩画の描き方|下描きから仕上げまでの手順

ここからが、実際の描き方です。 7つのステップで進めます。

各ステップで、失敗しやすい点も一言添えるので、先回りして避けてください。

ステップ1 アタリ程度の薄い下描きをする

鉛筆の下描きは、パラボラアンテナの形を意識しながら、薄く、少なく描きます。

花の花びらの位置、花びらの向き、花心の位置、茎の流れが分かる程度のアタリで十分です。

鉛筆は、軽く触れる程度の力で動かしてください。

濃く描き込むと、絵の具の下から鉛筆の線が透けて、花びらのふんわり感が消えます。

花びらの先端は特に薄くした方がよいでしょう。

濃く下描きしてしまったら、練り消しゴムで薄くします。

消しゴムで強くこするのも禁物です。紙の表面が荒れて、にじみ方にムラが出ます。

練り消しゴムを押さえ付けるようにして消すか、広範囲なら転がすようにして消します。

ステップ2 花心部分をマスキング

花心のところはマスキングします。

次のステップ3で花びらを描くときに、花心の部分を塗り残しやすいようにするためです。

花心の部分は、小さな突起状のしべが集まっていますので、輪郭部分を少し凸凹にした方がリアル感がでます。

マスキングして乾かしたら、次のステップに進みます。

ステップ3 花びらに水を塗り、ウェットオンウェットで色をにじませる

最初に、筆で花びら全体を水で濡らします。

そして、乾かないうちに、花びらの中でいちばん濃い色の部分に、その色を置きます。

そうすると、水にのって絵の具がじわじわと広がりはじめます。

この広がり具合を見ながら、筆で絵の具の広がりを調整します(濃い部分と薄い部分を作る)。

これが、透け感を出すいちばん簡単な方法です。

水が乾いてしまうと、にじませることができません。もし、乾いてしまったら、もう一度濡らしてから絵の具を置きます。

また、筆で水を塗ってまだ濡れているときに、別の色を塗って、にじみを利用してグラデーションをつくってもよいです。

ここでの注意点は、以下の三点です。

・水が乾かないうちに絵の具を置く

・水の量と乾き具合(水たまりのようでなく、光って濡れているのが分かる程度です)

・絵の具の濃さ(少し濃いめが良いです。薄いと広がり過ぎます。)

ステップ4 乾いてから重ね塗りして立体感を足す

同系色の色を重ねる場合は、前の色が濡れている間に重ね塗りするほうが馴染みやすいです。

一方、別系色の色を重ね塗りする場合やエッジを立てて塗りたい場合は、いったん乾かして次の色を塗った方が簡単です。

乾く前に重ねると、色が混ざって濁りやすくなりますし、意図しないにじみができてしまいがちです。

陰になる場所だけに色を足すのがコツです。陰のエッジは立てる方が光っている感じが出ます。

これだけで、平らだった花びらに立体感が出ます。

ステップ5 花心のマスキングを取り、色を入れて花に表情を出す

花の中心の花心部分のマスキングを優しく取ると、紙の白が現れます。

そして、そこに黄色を置きます。

細い筆で、丁寧に色をのせてください。

花びらの下側や重なり部分に、ほんの少し茶色や濃いオレンジを足すと、奥行きや立体感が生まれます。

そして、花心の中に茶色で点々を入れると表情がでます。

ステップ6 茎と葉を描いて全体のバランスを整える

茎は、細い筆でスッと一筆で引きます。

途中で止めたり描き直したりすると線がガタつくので、できるだけ一気に動かしてください。

葉は、細い線を数本、斜め上に向けて広げて描きます。

緑の濃淡で「ここは奥、ここは手前」を表現します。

花より葉が目立たないよう、花より少し控えめな色で描いてください。

ステップ7 仕上げの調整

最後に、全体を少し離れて眺め、足りない部分に少しだけ色を足したら完成です。

足しすぎは禁物です。

「もう少し描けそう」と感じるところで、筆を置くのがちょうどいい引き際です。

制作動画1(近景)

実際の制作動画をチュートリアルとして掲載します。参考にしてください。

まず、近景のコスモスです。

制作動画1(中遠景)

続いて、中遠景のコスモスです。

コスモスの水彩画の構図の考え方|一輪・数輪・コスモス畑

描く対象によって、構図の考え方が変わります。

ここでは3つのパターンを整理します。

一輪を大きく描く構図(花の描き方をしっかり学べる)

画面の中央付近に大きく花を置きます。

中央からやや外した位置に置いても面白いです。余白を残すことで、花の存在感が際立ちます。

背景は塗っても薄めに。紙の白のままにするのがいちばん簡単で、美しい仕上がりです。

最初はこの構図で、3枚ほど描いてみてください。

色の作り方、花びらの中のにじみ、重ね塗りの感覚が体得できます。

数輪を束ねて描く構図(奥行きの出し方)

数輪を描くときは、それぞれの着色に違いを持たせることを意識します。

手前の花は大きく、色は濃く。 奥の花は小さく、色は薄く、輪郭をぼかします。

同じ大きさ、同じ濃さの花を並べると、平面的で単調な絵になります。

色彩や構図を考えるときに、画面全体でリズムを作ることを意識しましょう。

また、花同士を横に並べてしまうと不自然になります。花同士を少し重ねると、自然な奥行きが生まれます。

コスモス畑の風景として描く構図(遠景は色のにじみで表す)

風景は、近景・中景・遠景に分けます。

近景は、花の形をキッチリ描き込みます。

中景は、花を色のかたまりとして描き、その中で所々の花の形をややキッチリ描きます。

遠景は、細かく描かず、花の色と緑のにじみだけで表現します。

遠くを細かく描こうとしないことです。

遠景は「にじみに任せる」ほうが、奥行きが感じられ、風景として成立します。

中景・遠景で花の色が周辺の色に比べて明るい場合は、花の部分をマスキングで白抜きしてから着色するのが簡単です。

構図描き込み色の濃さ
一輪細部までしっかり全体にやや濃い
数輪手前は細かく、奥はやや省略手前を濃く、奥を薄く
コスモス畑の風景近景のみ細かく遠くほど形をぼんやり、色は薄く

初心者がやりがちな失敗と、その場でできるリカバリー

水彩は、やり直しがきかない画材と言われがちです。

けれど、実際には、描いている途中でできる直し方がいくつもあります。

ここでは、よくある失敗とその場合の対処をセットで紹介します。

水彩紙は、何度も水で濡らしたり、強くこすったりすると、表面が傷んで修正が難しくなります。直す前に、まず「乾かす」ことを優先してください。

色が濁る・汚くなるときの原因と対処

原因の多くは、乾く前に色を重ねたことと、混色の多さです。

その場でできる対処は、次のとおりです。

  • 絵の具が乾かないうちなら、ティッシュで、濁った部分の色を吸い取る
  • 絵の具が乾いたら、水筆で水をつけ、ティッシュで色を吸い取る
  • 完全に乾かしてから、明るい色を濃いめに重ねる
  • どうしても濁りが取れない部分は、花芯や影として活用する

濁った部分を無理に直そうとして、水で何度も洗うと、紙を傷めます。

一度乾かして、そこから足していくほうが安全です。

花が平面的で、のっぺりして見えるとき

光の当たる面と陰とが表現できていないことが原因です。

対処は、陰の部分と花びらの重なり部分に、少し濃い色を重ねることです。

加えて、花びらの先端のほうは、水筆でそっとぼかすとよいです。

全体を濃くするのではなく、一部だけ濃くするのがポイントです。

水を含ませすぎてにじみ過ぎたとき

例えば、花びらの下描き線より外に色が広がりすぎたら、まず乾いたティッシュをあてて、水分を吸い取ってください。

筆の水気を絞って、湿った筆で余分な水分を吸い上げるのも有効です。

そのまま放置すると、色が流れて形が崩れます

気づいた時点で、すぐ水分を取ることが重要です。

そして、紙が完全に乾いたら、「広がり過ぎた部分」に水筆で水をつけ、ティッシュで吸い取ることを繰り返します。

それでも、絵の具がキレイに取れないようなら、その後ろ側(背景など)の方の色を濃くして、はみ出した部分を目立たなくしましょう。

細い葉や茎がうまく描けないとき

茎の細長い線を一気に塗るのは確かに難しいかもしれません。

他の紙で筆を動かす練習するのがよいでしょう。

描く前に練習し、慣れたら本番に移ってください。

練習用の紙に、10回ほど線を引いてから本番に入ると、手が温まって安定します。

このときに注意することがあります。

手首だけで筆を動かさないように意識することです。

手首は固定のまま、肘と肩の動きで線をひきます。

腕の構造を考えるとわかりますが、手は肘の関節や肩の関節を中心に円を描くように動かすときに広い範囲でスムーズに動きます。

そして、その方向に腕を動かしたときに下描きの茎の線に自然に沿うように、画面の向きをセットしてから描きましょう。

 また、僕も時々使う手ですが、絵の具で塗る前に茎のところに水筆で水を塗っておきます。

水なので緊張せずに濡れますし、失敗したら乾かすことでやり直しが利きます。

そうして、濡らしたところに、緑の絵の具をちょんちょんと触れるのです。

すると、水に乗って絵の具がスーっと広がっていきます。

この方法を使うと、緊張せずにムラのない着色ができますし、濡れているうちに別の色をのせるとグラデーションもできます。

僕が描いたコスモスの水彩画|制作のポイント

ここでは、僕自身の作品を紹介しながら、描くときに意識していることを伝えます。

使用した水彩紙はホワイトワトソンの中目です。

作品の紹介|近景のコスモス

まず、1枚目は、近景のコスモスを三輪描きました。

ピンク色のコスモスです。

花びらの大部分はピンクなのですが、根元が濃いピンク色になっていて、そこから濃い花脈が先端に向けて伸びている模様をもっています。ここの描き方が難しかったです。花心は黄色です。

左半分がモデルにした写真。右半分が作品です。シンプルに数輪を描きました。

前述のように、花心をマスキングしたのち、花全体を水でぬらし、花びらの根元のほうに濃い絵の具を置き、にじませつつ、さらに濃い色のピンクを根元に置いて広げていきました。

その後は、花脈と陰を丁寧に描いて、マスキングを取って、花心を塗りました。

最後に茎や葉を描いて完成です。

作品の紹介|中遠景のコスモス

2つ目は、中遠景のコスモスを描きました。ピンクや白のコスモスが花畑を作っています。

中景のものは大きくハッキリと、遠景のものはマスキングとにじみを使って距離感を出しました。

このコスモスでこだわった点と、うまくいかなかった点

実を言うと、コスモスを描いたことは、これまで過去に一度しかありません。

僕は、花をモチーフにして描くのは多くないので、今回コスモスの描き方を描くにあたって、あれこれと試行錯誤して描きました。

今回の作品でこだわったのは、コスモスの花びらが秋の空に抜けるような感じを出すことでした。

上の写真は中遠景の方の作品で、まあまあ描けていると思います。

できればもう少し、花びらの可憐な感じを表現したかったですね。

そのためには花脈と色の変化の描写力が必要だと感じました。

記事の始めにも描きましたが、コスモスの花は難しいです。

特に近景のアップを描くときは、花脈の表現をもう少し丁寧に描くほうがよかったですね。

具体的には、花脈を描く前に紙面を湿らせて、花脈の線を少しぼかして描けば、さらに良くなったと思います。

描いたコスモスの水彩画の楽しみ方|飾る・贈る

絵は、描いて終わりではありません。

飾ったり、贈ったりすることで、もう一段楽しみが広がります。

部屋に飾るときのサイズと額の選び方

飾る場所に合わせて、サイズを選んでください。

飾る場所目安サイズ額の選び方
玄関・棚の上はがきサイズ〜A5白や木目の細いフレーム
壁面A4〜F4程度余白のあるマット付き額
デスク周りはがきサイズスタンド付きミニ額

額は、絵より主張しないことが基本です。

コスモスのふんわりした絵には、白やナチュラルな木目の細い額が合います。

黒や太い額縁は、絵の軽やかさを重くしてしまうので、避けたほうが無難でしょう。

敬老の日・秋のギフトとして贈るときのポイント

コスモスは秋の花です。

敬老の日(9月第3月曜日)や、秋のお祝いに贈る絵として、季節感がぴったり合います。

贈るときは、次の点を意識してください。

  • 小さめ(はがき〜A5)で、飾りやすいサイズにする
  • 額に入れて渡す(そのまま飾れる状態にする)
  • 裏に、日付とひとことメッセージを添える

絵だけを渡すより、額に入れて渡したほうが、受け取る人の手間が減ります。

作品を保管するときの注意

水彩画は、光と湿気に弱いです。

  • 直射日光が当たる場所は避ける
  • 湿気の多い場所に置かない
  • 額に入れて、ほこりを防ぐ

特に、直射日光は色褪せの原因になります。

窓際に飾るときは、日の当たらない壁面を選んでください。

コスモスの水彩画に関するよくある質問

水彩紙は何を選べばよいですか

300g/㎡程度の中目の水彩紙を選んでください。

薄い紙は、水を含ませると波打って扱いにくくなります。

厚みのある紙は、水を受け止めてくれるので、初心者に向いています。

今回、僕はホワイトワトソンの中目を使用しています。

何色あればコスモスを描けますか

対象となるコスモスの色目にもよりますが、全てのコスモスの種類を入れても、赤、黄、緑、青、茶の各系統の色があれば描けます。

少ない色を混ぜて作るほうが、色が濁りにくく、自然な色になります。

白いコスモスはどう描きますか

基本は、白い絵の具では描きません。

紙の白を残して背景を塗って花を浮き立たせ、ごく薄いグレーやピンクで影を入れて、白を引き立たせます。

必要に応じて、マスキング液で花の部分を保護して背景を一気に塗ると、背景のムラが出来にくいです。

色鉛筆や不透明水彩と併用してもよいですか

併用して構いません。

水彩で全体を描いたあと、乾いた状態で色鉛筆を使うと、花芯や葉脈の細かい表現が足せます。

ただし、色鉛筆の線を入れすぎると、水彩のふんわり感が消えるので、最小限にとどめてください。

コスモスを描くのに適した季節はいつですか

コスモスの開花は、一般に9月から11月ごろです。

キバナコスモスは、やや早い夏から秋(7月〜10月ごろ)に咲きます。

実際の花を見ながら描くなら、この時期が最適です。

花の季節を過ぎても、写真や記憶をもとに描くことはできますが、実物を観察できる時期に1枚描いておくと、色や形の理解が深まります。

まとめ|コスモスの水彩画は薄塗りとにじみで誰でも描ける

コスモスの水彩画は、「”にじみ”で色目のグラデーションを作り、ところどころ”ぼかし”も入れ、光の当たっているところは紙の白を残し、陰を描く」の4つを守れば、初心者でもふんわり仕上がります。

この記事の要点チェックリスト

この記事の要点チェックリスト
  • □ 画材は、5系統の絵具・300g/㎡中目の紙・丸筆2本で十分
  • □ 色は混ぜすぎず、2色までを基本にする
  • □ 花びらを塗る絵の具は、少し濃いめのねっちょりくらい
  • □ 重ね塗りは、必ず乾いてから行う
  • □ 白いコスモスは、塗らずに紙の白を残す
  • □ 1輪の構図で花の塗り方の基礎を学ぶ
  • □ 失敗したら、慌てず、まず乾かす

どれも、ひとつずつ見れば基本的な技術です。

「誤魔化しが利かない」と書きましたけれど、1枚描いてみれば、「思っていたより簡単だった」と感じるかもしれません。

まずはコスモスの花の形と色をしっかり観察して、一枚描いてみましょう。

どんな絵でも最初はイメージ通りに描けないものです。

でも、少しずつ馴れていけば、きっと上手くなります。

描いた花の絵を一枚、お部屋に飾ってみましょう。

お部屋の雰囲気が明るくかわりますよ。

では、、、また。