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水彩画は、同じ絵の具であっても筆の使い方で驚くほど「絵」が変わります。
水彩画を凡そ20年描いてきた中で、いちばん”絵の印象”を変えたのが筆の使い方でした。
ちょっとだけ、ひと工夫すれば、絵に深みや自然さを持たせることができるん
です。
細かい線、にじみ、かすれ、質感表現、広い面の均一な塗り方、などなど…。
今回は水彩画で使いたい筆の種類と、その色々な使い方をご紹介します。
さらに、その中でも特にお勧めする「面相筆」の技法や、そのほか身近なものを
使った技法をご紹介します。
「こんな使い方があったんだ!」と、「気づき」がきっとあると思います。
そして、この記事で得た知識で筆の使い方を工夫いただくと、あなたの絵もグッと変わると
思いますよ。
では参りましょう♪
水彩画を始めたばかりの方は、以下の記事で道具全体を把握しておくと理解しやすいでしょう。
☞『【初心者必見】水彩画の始め方|道具・絵の具・紙・描き方を総合解説』
初心者はどの筆から揃える?【選び方】
これから水彩画を始める方に、まず揃えて欲しい筆について最初に説明します。
毛の種類
実は、ひと言で「筆」といっても、材質がいろいろあります。
大きく分けて「天然毛」と「人工毛」と「混毛」です。
天然毛(コリンスキー、リス毛)は、水含みが良いですが高価です。
一方、人工毛(ナイロン)は安価で扱いやすいです。
人工毛と天然毛の混毛もあり、両方のいいとこ取りです(リセーブル)
僕の考えでは、初心者は人工毛でOKです。
筆は消耗品と考えた方が良いです。
高級な筆を大切に大切に気を遣って控えめに使うよりも、ある程度、安価な筆をどんどん使って、傷んだら買い換える意識で使うのをオススメします。
蛇足ですが、絵の具を混ぜるのに使っている筆は、昔から使い倒しているボロボロの筆を今でも使っています。絵の具を混ぜるときはどうしても筆の穂に負荷が、かかってしまいますからね。
サイズ(号数)は大・中・小くらいで考えると迷わない
筆のサイズも沢山あります。号数で表されます。
0号が一番サイズが小さく、数字が大きくなるほど大きくなります。
この号数は規格があるわけではなく、メーカーそれぞれが付与しています。
なので、画材屋さんに行ったら、号数でみるよりも「大、中、小」の大まかな分類で分けて選ぶのがよいでしょう。
まず、1本目を買うとしたら「中サイズ」をオススメします。
丸筆・平筆・面相筆があれば十分
まずは、丸筆・平筆・面相筆の三つを揃えましょう。
この中でも丸筆(中のサイズ)は必須です。
これは、万能の筆ですから、これ1本で描く作家さんは多くいらっしゃいます。
水彩画で使う代表的な筆とその使い方

いろいろな筆の特徴と使い方例を動画を交えてご説明します
1. 丸筆|万能な筆で初心者にもおすすめ
特徴
先がとがった円筒形です。水彩筆の基本的な筆です。
小学校の図画の時間にも使ったと思います。

使い方
細い線から太い線まで広範囲で使えます。
・線描き:筆先だけを立てて細い線が描け、押しつけて太い線が描けます。
・面塗り:筆を寝かせて筆の腹で描くと、一度に広い面も描けます。
・にじみ:丸筆に限りませんが、紙を水で濡らしておいて、筆で絵の具を置くと、
にじみができます。
・ぼかし:塗った色を、濡らして絞った筆で拭うとぼかしができます。
これも丸筆に限りませんが、筆の毛の量が多い丸筆で拭う方がやりやすいと思います。
活用例の動画
上記バリエーションを動画で紹介します。
2. 平筆|背景や直線表現に便利
特徴
先が平らで直線的な形をしています。 比較的広い面を均一で安定した着色ができます。
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使い方
・面塗り:水をたっぷり含ませて広い面を素早く塗ることができます。
・線描き:角を使えばカッチリしたエッジの効いた線が出せます。
活用例の動画
上記バリエーションを動画で紹介します。
3. 刷毛|画面の広い面を塗るのに最適
特徴
幅広で毛量が多いです。日本画では地塗り用に使いますが、水彩では大きな面を素早く処理
するのに便利です。

使い方
・下地づくり:紙全体を均一に下地塗りするときに使います。
・大面積平塗り:空、海、背景などを一気に塗るときに使います。
・重ね塗り:広い部分に透明感を保ちながら色を重ねる。
活用例の動画
上記バリエーションを動画で紹介します。
4.面相筆|広い部分から細部の描き込みにも大活躍
面相筆は、その名のとおり、顔の輪郭や目や鼻を描くのに適している筆です。
面相筆は毛先が細くまとまっている筆で、細線や点描が得意です。
でも、この一本の筆で思いのほか多彩な表現ができる。そんな筆でもあるんです。
実は僕の持っている筆の中でいちばん活躍している筆です。
特に細部の描き込みや仕上げの時に威力を発揮します。
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特徴
毛が細く長く先端が鋭いです。コシもあります。日本画や水墨画でも線描に用いられます。
使い方
・長い線:絵の具の含みが良いので、スーッと引くように描くと長い線が引けます。
・輪郭線:イラスト風のアウトラインや強調したい部分に
・細密描写:木の枝、草、毛並みなど
5.面相筆の様々な使い方

ここで、面相筆について「特出し」で詳しく説明していきます
基本|筆先で細部を描く
面相筆は、もともと日本画用の筆です。
筆先がとても細いので、絵の具をピンポイントで紙の上に置け、繊細な表現が可能です。
・使いどころ:細かな草などの絵の中の細密な部分の描写
・ポイント:この筆は意外にコシがあり、筆先のほんの一部だけ触れるようにして描けます。
つまり紙に筆を押しつけずに描けるので細い線が描けるというわけです。
活用例の動画
近景の草の茂み(葉の形がハッキリしたもの)
面相筆の腹を使ってドライブラシ
筆に水を少なめに含ませ、乾いた紙の上に筆を寝かせ気味にして描きます。
紙の表面にザラっとした質感で着色できます。特に粗めの水彩紙でこの効果が高いです。
・使いどころ:岩肌や木肌のような質感を表現したいところの描写
・ポイント:紙の粗さと筆の絵の具の量や濃さが質感を左右します。
活用例の動画
木肌と石肌
にじみをコントロール
紙をあらかじめ濡らして置き、その上に色をのせると、やわらかく広がります。滲みですね。
面相筆はピンポイントで色を置けるので、繊細な滲みの表現ができます。
・使いどころ:遠景の草の茂み
・ポイント:滲みの度合いは、紙の上の水の量と絵の具の濃さに左右されます
絵の具の濃さと紙の濡れ具合の解説動画
木の葉を描く
細かな線や点が描ける面相筆は、木の葉を描くのにとても都合が良いです。
(1)基本は面相筆のタッチで描く
点や小さなタッチを重ねると、細かい葉が表現できます。
(2)水スプレーと組み合わせてさらに「本物っぽく」
紙の上に水スプレーで水の粒を置いたうえで色を載せると、より自然な感じになります。
活用例の動画
スプレーは滝の水しぶきにも応用できます。(以下の記事を参照ください)
☞『滝の水彩画の描き方!初心者でも透明感が出せる着彩のコツを解説』
割れ筆の活用|自然なランダム感を出す
古い筆を割って割れ筆(割り筆)にして使うと、一度に複数の線や点が描け、とても使い勝手が良いです。

・使い方:木の葉や草むらなど、自然なランダム感を出すのに最適。
割れ筆の作り方の動画
実際の塗り方については、「水彩画の絵の具はどう塗ったらいい?」も参考になります。
☞『水彩画の絵の具はどう塗ったらいい?初心者が上達する基本の塗り方』https://suisairoom.com/watercolor-painting-techniques/
番外編|サランラップで模様を作る
サランラップに絵の具を付け、水彩紙の上に押しつけると不思議な模様ができます。
筆で描くのとは異なり、ランダムさ加減が自然な感じを思わせます。
また、マスキング液をサランラップで塗り、「色抜き」をしても面白いです。
活用例の動画
まとめ
水彩画は、筆の種類や使い方によって表現の幅が大きく広がります。
丸筆や平筆は、初心者の方がまず揃えておきたい基本の筆です。
刷毛は広い面の着色に便利で、作品にスピード感を与えてくれます。
そして面相筆は、細密描写からドライブラシやにじみのコントロールまで、多彩なテクニックに
対応できる万能選手です。
今回ご紹介したように筆の特徴を理解し工夫して使うことで、同じ絵の具でも作品の仕上がり
は、ぐっと豊かになります。
ぜひご自身の水彩画制作で、いろいろな筆の使い方を試してみてください。
あなたの水彩表現がさらに広がり、描く楽しさが増していくと思います。
では、また。
絵の具選びについては、「水彩画初心者のための絵の具」で詳しく解説しています。









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初心者のかたは、とにかくモチーフの形を取ることに集中しがち
ですよね? 僕もそうでした^^;
けれど、そういった描き方だけだと勿体ないと思います