この記事は文字による解説部分を約20分で、動画は約60分で見ることができます。
今回は、水彩画の中の要素ごとにフォーカスを当てて、それぞれの部分の描き方を詳しく解説したいと思います。
一言で「絵」と言っても、その中に登場するもの(対象物)はたくさんありますよね。
例えば、空、山、森、林、水辺、草原、花、雪、人物・・・などなど。
また、それぞれの対象物が遠景、中景、近景か、絵の主人公か脇役か、、、
というのもあり、それぞれで描き方を変えたほうが良いです。
コレ、、、考えていくと、なかなか深くて僕も気を遣います・・・(苦笑)
でも、そんな色々なことを含んでいる絵も、1つずつの対象物の集まりです。
ひとつづつ描き方を覚えて、それらの組み合わせ、と考えれば大丈夫。
必ず描けるようになります。
まずは、描き方を真似しましょう♪
・草原や林の描き方(遠景)
・水辺の描き方(遠景)
・青空の雲の描き方(遠景)
と言うわけで今回は、絵の中のそれぞれの要素について描き方を詳しくお伝えします。
僕が過去に描いた絵を一枚、例にして、動画を交えて解説します。
絵の全体を構成する各対象物の描き方を理解することで、絵の全体の出来映えが良くなります。
今回つかう題材は、トップページにも掲載している絵(題名「春待ち鳥」)です。
是非、取り組んでみてください。
それではまず、絵の中にどのような要素が在るのか?というところから、一緒に見ていきましょう。
絵の要素とは

少し専門的な話もありますが、気楽に読んでください
「絵の要素」ってなに?
「絵の要素」は、絵を構成しているすべての視覚的パーツのことです。
絵を構成する基本的な部品のようなもので、絵を形づくる基礎的な構成単位です。
一般的に、絵画を構成する主な要素は以下のように分類されます。
線、形、色、質感、空間、明暗、構図などです。
音楽に音階があるように、絵にもそれを形づくる基礎的な構成単位があります。
これらは絵を描くときの「語彙」とも言えるでしょう。

話が少し脇道に逸れますが、「要素」と似た用語として「モチーフ」があります
「要素」と「モチーフ」とは似ている部分もありますが、少し違います。
「モチーフ」は、絵の中で主題的・象徴的な意味をもつ「中心的な対象・形」です。
つまり、絵描きさんが対象物を見たときに、
「絵の中で何を描きたいか(何を表現したいか)の動機付けになるもの」です。
たとえば、今回の題材ですとモチーフは、「広い空間と水鳥」と言えると思います。
さらには、「深く静かな水面に映る鳥の影」も、でしょうか。
僕は、この風景を見たときに、少し抜けたような遠景の中に鳥をぽつんと一羽だけ描くことで、春を待つ鳥の気持ちを表したいと思ったのです。
・・・少し脱線しました。
では、絵の要素の説明に入りましょう。
この一枚の絵に含まれる6つの要素(対象物)
今回の題材「春待ち鳥」を例に説明します。
ここからの説明では、前述の「絵の要素」を少し集積した「絵の中の対象物(もの)」を便宜的に「要素」と呼びます。
のちほど、動画を使って説明していますが、動画の中でも「要素」としています。
この作品には、大きく捉えると以下の「要素」が含まれています。
・①水鳥
・②水鳥の手前の水面
・③水辺に茂る草原
・④草原の中に立っている木々
・⑤草の穂が映り込む水面
・⑥遠い青空

①水鳥

水辺に静かに佇む白い水鳥は、画面の中でひときわ目を引く存在です。
特に強調して描いたわけではありませんが、まわりの色調や空間に対して、自然と視線が集まるような位置に意識して置いてます。
形はできるだけ簡素にし、周囲と馴染ませつつも、静かな存在感が出せればと思いながら描きました。
鑑賞者によって、鳥の姿からさまざまな感情や物語を感じ取っていただくのが狙いです。
②水鳥の手前の水面

鳥の手前に広がる水面は、落ち着いた色でまとめることで、全体の雰囲気を静かに支える役割を持たせています。
にじみの表情や色の移り変わりが、水彩ならではの柔らかさを出してくれています。
ここでは偶然のにじみの効果を大切にしました。
この空間が、風景の静かさや穏やかさを引き立ててくれるよう意識しました。
③水辺に茂る草原

水辺に生い茂る草は、あまり細部まで描きすぎず、全体として柔らかく明るい印象になるよう心がけました。
ふわっとした光に包まれたような感じや、見ているひとに「触ってみたい」と思わせられたらイイなと思いながら、色の重なりや線の動きを工夫しています。
風に揺れているような気配や、乾いた空気のようなものが伝わるよう意識しました。

④草原の中に立っている木々
細かく描くというよりは、木の存在を感じるくらいの軽さで、背景として溶け込むようにしています。
草原の奥に立つ木々は、線の強弱や色の変化で、奥行きやリズムを少しだけ意識しました。
白く残した枝の線で、光の気配や空気感を少しでも感じてくれるように意識しました。
⑤草の穂が映り込む水面

草の穂が水面に映っている様子を表しました。
先に滲みで塗った②の色を抜いてごく淡い色で表現し、あえてはっきりとは描いていません。
実際に映っているというより、どこかにその気配が漂っているような、そんな雰囲気が出せたらと考えました。
水面の映り込みは、草の存在を表わし、微かなリアル感を感じてもらえるよう意識しました。
⑥遠い青空

画面の上部にわずかに見える青空は、あまり主張せず、全体の雰囲気を支える程度の存在にとどめています。
最遠景であり、季節は春間近な冬の終わりであることを感じさせたいからです。
少し青が加わることで、空間に広がりが出ればいいなと思いながら、模写を控えめにしました。
鑑賞者の中で想いが空遠くへ自由に広がっていくような余白を残せていればと思います。
「要素」それぞれの描き方(実演動画と共に)

ここから、各要素それぞれの描き方について説明していきます
それぞれチュートリアル動画で説明していますので、是非ご覧くださいね
(要素①と②は1本に纏めています)
①水面に映った水鳥の描き方

この絵の中では主人公といえる要素です。
やや遠景の要素なので「主人公」といっても強い主張はしていません。
しかし、この要素を置くことで、絵にストーリー性を持たせることが出来ます。
なので、僕は必須の要素だと思っています。
さて、塗り方です。
この水鳥は白い鳥で、周囲を草原と水辺の濃い色で囲まれています。
そして、水面は塗りムラを避けたい(と、描き始めに予定しました)です。
こういうときにはマスキング技法が便利です。
マスキングをした部分は絵の具を弾きますので、紙の白が残ります。
なので、水鳥の部分を気にせず草原や水面の色を塗ることができ、その部分はムラなく塗ることが出来ます。
まず、鳥と水面に映っている鳥の影をマスキング液で塗ります。
マスキング液は、ホルベインのマスキングインクを使っています。
ひと瓶55ml入りで800円ほどです。

僕は、マスキング液を倍ほどに薄めて使います。
また、細かな部分にマスキング液を塗るのに重宝しているのが、ネイルアート用の筆です。
8本入りで100円(税抜き)でダイソーで手に入れられます。

マスキング液が乾いたら、周囲の草原と水辺を塗りましょう。
そして、水鳥以外の箇所を塗り終わった、と判断したら、マスキングを剥がし、水鳥の部分の仕上げをしましょう。
具体的には影入れと水面に映った影の部分エッジのぼかし、です。
もし、この作業をマスキング無しで行うとなると、かなり気を遣います。
水面を塗るときに、水鳥の場所を塗り残しながら、しかも塗りむらをしないように水面を塗るのは、ほとんど不可能です(水鳥が近景で大きな形なら、できなくはないですけれど)。
このように、マスキングはキチッとした形を塗り残す際に有用な技法です。
みなさん、活用してみてください。
なお、今回のマスキングは1回のみのマスキングでしたが、何回かに分けて行う、マルチマスキングという方法もあります。
これは、要素の明度を何段階かつけたい場合に使います。
最も明るくしたい場所にマスキングⅰ→着彩ⅰ→より暗くしたいところにマスキングⅱ→着彩ⅱ→最も暗くしたいところにマスキングⅲ→着彩ⅲ・・・といったやり方です。
マスキングⅰの場所は紙の白で、マスキングⅱの場所に着彩ⅰの色が入り、マスキングⅲの場所に着彩ⅱの色が入ります。
マスキングⅰが一番明るく、マスキングⅱ、ⅲと番号が大きくなるにつれて明度が暗くなります。
木々や草の葉が何層にも重なっているところなどに使うと立体感や奥行き感が出ます。
②水鳥の手前の水面の描き方

この場所は、水面の感じをどのように表すか、考えるところですね。
というのも、この絵の中でかなりの広い面積だからです。
この広い面の描き方は絵のテイストにかなりの影響を及ぼします。
例えば、さざ波を描き込むのか、うねった波を描き込むのか、鏡面のように静まった水面にするのか・・・いろいろ考える余地はあると思います。
僕は、この絵を描き始めるとき、「水鳥が静かに春をまつ様子」を込めたかったので、静かな水面にしました。
さて、静かな水面する場合、遠くの水面には草原の黄色がぼんやり映り込み、近くの水面は深い水の色となるはずです。しかもグラデーションで。
もし、水面を全くの鏡面にしたいのなら、もっとハッキリと草原と木々のかたちの映り込みを水面に描き込むのがよいでしょう。
先ほども書いたように、水面は「塗りむらを避けたい場所」と決めました。
このような塗り方をしたい場合、「たらし込み」という技法を使います。
たらし込みは、水面の場所全体に水で濡らしておき、そこに、草原の黄色と水の色をたらします(黄色は上の方、水の色は下の方を中心に)。
そして、紙を左右上下に傾けます。
予め水で濡らしているので、傾きに応じて絵の具は比較的自由に動き回ります。
そして、絵の具同士が混ざり合いながら動きます。
水が乾くまでの短時間の一発勝負です!
この絵の場合、左右より上下に傾かせる方を多めにするのがよいでしょう。
画面の縦方向に絵の具が伸びた方が、水面に映り込んでいる様子に違和感を感じないからです。
絵の具は濃いめに。そして画面が広いので多めに用意しておくのが良いです。
そして、紙が乾いて絵の具が動かなくなってきたら、傾けるのを止め自然に乾くのを待ちます。
多少、予定したところと違うところに絵の具が行ったとしても、触らないことです。
折角のキレイなグラデーションが台無しになってしまいますからね。
このたらし込み技法は慣れが必要なので、予め練習しておいた方が良いです。
それから、絵の具が紙の端から落ちる可能性がありますので、吸湿性のよいシートを引いて、その上で行いましょう。僕はペットシートを使っています。
③水辺に茂る草原の描き方

この部分は草原で、穂先の部分や茎の部分が光に当たって光っています。
そして、より奥の草原が濃い色に透けて見えています。
遠景なので、あまり描き込まず、滲みでぼんやりと色を置くのが良いでしょう。
光る穂先や茎の部分はマスキングで処理します。
穂先の部分は、綿の花のようにふんわりとした表現にしようと思いました。
このためには、マスキング液を滲ませます。
紙面を予め水で濡らしておき、マスキング液をちょんちょんと置くのです。
そうするとマスキング液が滲んで、エッジがハッキリしなかったり、面白い形になったりします。
その後、色を塗って乾かしマスキング液を取り除きます。
穂の部分を確認して、ふんわり感や光る感じが足りなかったら、筆やブラシで色を抜いてやります。
④草原の中に立っている木々の描き方

まだ、春遠い季節の木々は枯れ木ですよね。
なので、葉が茂ってなく枝振りがハッキリ見えています。
この枝をバックの草原の黄色の中に浮き立たせました。
このように、背景に対して浮き立たせるように表現したい場合もマスキングが便利です。
この場合は枝の先の部分は光らせたいので白抜きのままでも構いませんが、幹の部分は色を置いた方がよいでしょう。
遠景ですので、幹の部分の置き方は、幹の部分に予め水を塗っておき、水に塗れたところに絵の具を置くようにして、ぼんやりした着彩にします。
紙の上で、絵の具を混色するようにすると良いです。
また、日陰の部分の色は、より濃くすると、光っているところの光ってる感がでます。
⑤草の穂が映り込む水面の描き方

水辺に近い草の明るい部分を水面に映すことで、見ている人に草と水の存在感を感じさせることができます。
このやり方はマスキングでもできますが、ここでは、マスキングに頼らない抜きの方法について解説します。
用意するものは、メラミンスポンジとマスキングテープです。
メラミンスポンジは「激落ちくん」の商品名で、お掃除グッズコーナーにあります。
マスキングテープは文房具店か画材店で手に入ります。
まず、水面の色を抜きたい部分(草の明るい部分が水面に映っている箇所)を避けてテープを貼ります(テープとテープの間に隙間ができるように)。
この隙間をメラミンスポンジで擦って色を抜きます。
テープを剥がして出来上がりです。
テープ同士で隙間を作ると直線的な隙間しかできませんが、予めテープをカッターで円弧に切り抜くと曲線も可能です。もちろんもっと複雑な形に切り抜いてもOK。
この方法は、特に技術は要りませんので簡単にできます。
色が抜けるのを楽しんでみてください。
⑥遠くに広がる青空

今回、最後の要素です。
「青空」ですが、ここは青空に浮かんだ雲の描き方を解説します。
これには、主に以下の二通りの描き方があります。
A:青い空を描いて雲の部分の色を抜く方法
B:雲の部分を塗り残して青空を描く方法
です。
どちらも、まず空の部分に少なめに水を塗っておきます。
次に、Aの方法では、空の部分全体に青い絵の具を塗り、ティッシュペーパーで雲にしたい部分の青色を抜きます。
このとき、強く拭うとパチっとした雲になり、淡く拭うとぼんやりした雲になります。
また、Bの方法では、雲にしたい部分を予め想像しておき、その周りを青色で塗っていきます。
「ネガティブペインティング」と言います。
この方法は「滲み」を使っていますので、雲と空の境目はぼんやりとします。
技法的にはAの方が簡単です。雲を置きたい場所をティッシュで押さえるやりかたので、雲の位置のイメージが付きやすいです。
Bの方は塗り残しですから、筆のコントロールに多少は気を遣います。ムラにもなりやすいです。
よくある失敗とその対処法

ここまで各要素の描き方について、文字と動画で解説しました
いかがでしたか?
今回の題材では、なんと言っても「②水鳥の手前の水面」が一番のネックです
水鳥の手前の水面がのっぺりしてしまう原因と対処法
この水面の部分の描き方が一番苦労すると思います。
「広い面をムラなく塗りたい」ですし、かといって「のっぺり」させたくはないです。
「ムラなく塗る」には予め水を塗った紙の上に「たらし込み技法」を使うことで対処することは先ほど説明しました。
また、「のっぺりさせたくない」ためには、「たらし込み」技法で、複数の色を混ぜることです。
今回の絵ですと、水面の色と、その向こう側に広がっている草原の色ですね。
さらに、空の色を加えてもイイですね。
複数の色を紙の上に置き、紙を左右上下に傾けることで、絵の具が互いに混ざり、なめらかな色のグラデーションができます。
そして、水の向こう側の色を水面に置けば「水面に向こう側の景色が映り込んでいるな」と鑑賞者に感じさせることができ、奥行き感も出すことができます。
ただ、ここで注意するのは、「色を混ぜすぎないこと」 ココです!
紙に乗せる色の数を言っているのではなく、色を混ぜる時間のことです。
言い換えると、置いた色が混ざりきってしまうまで紙を傾け続けないことです。
混ぜすぎてしまうと最終的には、たらし込みをした面が、ただ1つの色になってしまいます。
折角、別々の色を置いたのに、一色になってしまうんです。
そして「のっぺり」とした仕上がりになってしまいます。
ですから、そうなる前のタイミングで紙を水平に置き、乾かす必要があるんです。
「たらし込み」は、慣れとコツが要ります。事前に別の紙で練習して工夫してみてください。
たらし込みの前に塗る水は多めの方がよいですが、水が多すぎると絵の具が止まるまで時間がかかってしまいます。
つまり、先ほど説明した絵の具同士が混ざりすぎてしまうので、加減が必要です。
また、紙をあまり大きく傾け続けると紙の端から、どんどん絵の具が落ちてしまい、色が薄くなってしまいます。
なので、傾けるのはソコソコに。
できるだけ絵の具を落とさず、絵の具が止まるまで我慢してこらえましょう。
そして、たらし込む絵の具は多めに。絵皿にタップリと用意しておきましょう。
草の穂が映り込みが上手くいかない原因と対処方法
今回「草の穂の映り込み」を表現するのに、メラニンスポンジで絵の具を落とす方法を用いました。
穂の明るいところが鏡映しのように水面で光っているところを表現しました。
この技法は、技術的には難しくはありませんが、実像の穂の部分と鏡映しの部分との位置と形が合うように抜いてください。
合うことで、鑑賞者に「草の穂が鏡映しになっているな」と感じさせることができます。
もしも、これがズレていたりすると、違和感をもたれてリアル感が減ってしまいます。
また、マスキングテープで隠した箇所以外のところにメラニンスポンジが触れないように。
もともとムラのないところで抜く場面なので、メラニンスポンジが触れてしまうとあっという間に色が抜けてムラになっちゃいます。
僕も何回か「あらー!!」と叫んでしまったことがあります。ご注意を。
リアルに見せるためのちょっとしたコツ
水彩を使って絵を描くとき、写真のように超リアルに描きたいかたや、抽象画に寄った絵を描きたいかた、、、いろいろいらっしゃると思います。
僕自身のことで言うと、写真のように描くことをあまり目標にしていません。
ですが、ある程度は描き込んでリアルに寄った描き方をすることを意識しています。
その方が、自分自身も鑑賞者も安心して見ていられると思うからです。

以下に、リアルに見せるための僕なりのコツについて説明したいと思います
・光と影の「温度」を意識する
陰影を単に「明るい・暗い」で塗り分けるだけでなく、光った部分には温かみ(暖色)を
影になる部分には冷たさ(寒色)を加えると、奥行きと自然に感じられます。
例えば光が当たる部分に、ほんのりイエローオーカー、影の部分にウルトラマリンやクールグレー(今回の題材ですと、鳥の影の部分)。
・エッジ(輪郭)をキッチリさせすぎない
水彩画はにじみやぼかしが最大の武器です。
リアルに見せたい対象でも、すべてをキッチリ描くより、焦点を一部に絞って他は曖昧にする方が自然に見えます。
むしろ全面キッチリ描いてしまうと、その絵を「煩く」感じてしまう人が居るかもしれません。
これは、「自分は何を表現したいのか」「何を描きたいのか」と自問して、キッチリ描く対象と、そうでない対象を区別すると良いと思います。
・紙の上で色を混ぜる
パレット上で混色してから紙に置くより、紙の上で色を混ぜる方が自然で深みが出ます。
さらに言えば、絵の具の鮮やかさを保ちながら彩色することができます。
・白は塗らずに残す
この記事で多用したように、白を表現したいときはマスキングインクや色を抜いたりすることで紙の白を残すと、透明感が出てリアルに感じられます。
・実物よりも少し「抜け」を作る
完璧にガチガチに写実的にするよりも、「手を抜く部分」を意識すると、「リアルに感じられる」のに「絵らしさ」も残せます。
これはとくに風景画や静物で効果的です。
まとめ

動画を含め、長時間おつかれさまでした
以下は、今日のまとめです
・絵は、要素ごとに描き方を意識すると完成度が上がります
・広い水面は「たらし込み」で自然なグラデーションを演出。練習と加減が重要
・遠景の草の光る穂先の表現は、マスキング液をにじませるのも効果的
・木の枝や幹など背景から浮かび上がらせたい部分にもマスキングが有効
・水面に映る光る草の部分の抜きは、マスキングテープとメラミンスポンジで
・青空と雲は、雰囲気に応じてティッシュで色を抜く方法と塗り残す方法を選択
いかがでしたか?
今日の題材は主にマスキングとブラシによる抜きとたらし込みで描く水彩画でした。
なかなか慣れが必要な部分もありますが、これらの技法をマスターすると、絵がグッと締まっていきます。
「たらし込み」は思わぬ場所に絵の具が行っても、偶然を楽しむ位の気持ちで描くのが良いと思います。
ぜひ、いろいろ試して楽しみながら描いてみてください。
それでは、また。
こんにちは、Noriです♪
みなさん、水彩画 楽しんでますか?